会社の決算日はいつにするのが良いの?〜考慮すべき4つのポイント

20170211

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

新しく会社を作る場合、決算日をいつにすれば良いか迷われるのではないでしょうか。

今回は、決算日を決める際に考慮すべき4つのポイントをお話します。

決算日をいつにするかは会社の自由

決算日をいつにするかは、会社が自由に決めることができます。

日本では、3月決算、12月決算の会社が多いですが、これ以外の月にすることももちろん自由です。

 

また、決算日は月末以外の日にすることもできます。

15日、20日など月中の任意の日にもできますが、この場合、税法や会計基準の適用関係が複雑になります。

特殊な事情がない限りは、決算日は月末にするほうが分かりやすく無難です。

 

なお、期首から決算期末までの期間は12ヶ月を越えることはできません。

 

では、具体的に決算日を決める場合には、どのようなことを考慮に入れればよいでしょうか。

 

決算日を決める場合の4つのポイント

弊事務所では、お客様から決算日のご相談を受けた場合、以下の4つのポイントを考慮するようにアドバイスしています。

在庫の多い月は避ける

1つめのポイントは在庫の水準です。

卸売業や製造業のように、棚卸資産(在庫)をもつ業態の場合、決算日には棚卸を実施する必要があります。

棚卸しとは、在庫の数量を実際にカウントする作業のこと。決算日現在の在庫金額を確定するための大切な手続きです。

この棚卸しは、原則としてすべての在庫が対象となりますので、季節的要因などで決算日の在庫数量が大きく膨らんでいる場合には、大変な手間がかかることになります。

したがって、年間を通して在庫数量がもっとも少なくなる月に決算日をもってくると、棚卸しに要する作業負荷を減らすことができます。

 

資金繰りの厳しい月の2ヶ月前は避ける

2つめの考慮事項は資金繰りです。

黒字の会社の場合、決算日の2ヶ月後に税金(法人税・消費税)を納付しなければなりません。

決算日の8ヶ月後には、税金の中間納付(前期年税額の半額の納付)も必要になります。

資金繰りの厳しい時期に税金の納付時期がかさなると、納税資金を借入れで賄うこととなり、無駄な資金コストを払わなければならなくなります。

 

したがって、決算日を決める場合には、

  • 売上入金の少ない月
  • 仕入支払の多い月
  • 人件費(賞与など)の支払の多い月

のように、資金繰りが厳しくなる月と納付時期がぶつからないように注意しましょう。

たとえば、毎年3月の資金繰りが苦しくなることがわかっているのであれば、その2ヶ月前の1月、8ヶ月前の7月は決算月にしない方が良いということになります。

 

消費税の免税期間を長くとる

3つめは消費税の納税義務の免除規定です。

新たに会社を設立する場合、資本金1000万円未満の会社は設立後の2期間は消費税の納税義務が免除されます。

ここで「2年間」ではなく、「2期間」となっている点に注意してください。消費税の納税義務の免除は、設立後の年数(2年間)ではなく、会計期間(2期間)に基づき判断します。

したがって、1期目が1ヶ月の会社と12ヶ月の会社とでは、免除期間が11ヶ月も変わってきます。

 

【例】

  • A社:設立1期 1月1日から12月31日(12ヶ月)
  • B社:設立1期 12月1日から12月31日(1ヶ月)

A社の場合、1期目の期首から2期目の期末までの24ヶ月間は消費税を納付する必要がありませんが、B社の場合、納税義務の免除期間は13ヶ月と短くなります。
(注)3期目以降に実際に消費税を納付する必要があるかどうかは、基準期間の課税売上高を基に判定されます。詳しくは、こちらのブログ記事をご参照ください。

 

設立1期目が12ヶ月に近づくように決算日を設定すると、免除規定のメリットが大きくなります。

会社設立から数年は資金的に余裕がない場合が多いですので、消費税の免除期間についても考慮に入れておきましょう。

 

業績の季節的変動が大きい場合、儲かる月を期首に近づける

4つめのポイントは、業績の季節変動です。

建設業や居酒屋など業績が季節によって大きくブレる業種の場合、売上が大きい月を期首に近づけると、年間の損益見通しがたちやすくなり、資金繰りや節税対策などがやりやすくなります。

逆に、儲かる月を期末に近づけてしまうと、年度末まで損益が把握できず、本来やっておくべき節税対策などが後手に回ってしまう可能性があります。

たとえば、役員給与は期首から3ヶ月以内の改定(通常改定)であれば、改定前・改定後の役員給与の全額を税務上の費用(損金)とできます。

【参考記事】

役員報酬の税務〜定期同額給与ってなに?
こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。 前回の記事では、役員報酬に関する税務上の取扱いの概要を解説しました。役員報酬の税務〜まずは全体像...

 

新年度が始まって早い段階で年度の損益見込みが立てば、税務上もっとも有利なかたちで役員給与の水準を決定できます。

また、想定以上に利益が出そうであれば、早い段階から節税対策の手を打つこともできます。

このように、節税を始め、様々な経営上の施策の検討期間を用意する上で、「儲かる月を期首に寄せる」ということも、考えておきましょう。

 

決算日変更のための手続き

最後に、決算日変更のための手続きについてお話しましょう。

決算日の変更手続きは、難しいものではありません。

次の手順で定款を変更したうえで、税務署・都税事務所等に異動届を提出します。

  1. 株主総会で、事業年度(決算日)の変更を決議する。
  2. 上記決議の議事録を作成する。
  3. 定款の記載を変更する。
  4. 所轄の税務署・都税事務所(県府税事務所、市町村役場)へ異動届を提出する。

 

提出時期は「異動後遅滞なく」となっており、具体的な提出時期は定められていませんが、実務上は定款変更後速やかに提出したほうが良いでしょう。
なお、決算日は登記事項ではないので、登記手続きは不要です。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。