知っておきたい節税策〜固定資産の計上方法を見直す

20170628

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

知っておきたい節税策シリーズ。

今回は、固定資産の計上方法の見直しについて解説します。

固定資産の計上方法が節税につながる理由

どうして固定資産が節税に関係するの、とお思いかもしれません。

まずは、その理由から説明しましょう。

取得した固定資産は、「減価償却」という手続きを通じて、徐々に費用(損金)になります。

減価償却ってなぜ必要なの?
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費用化される期間のことを「耐用年数」といいますが、耐用年数が短ければ短いほど単年度の損金を大きく出来るので、節税の面で有利です。

耐用年数が長かろうが短かろうが、取得価額はいずれ減価償却費として損金になるのだから、トータルの節税額は同じでは?とお考えかもしれません。しかし、キャッシュフローの観点からいうと、早めに資金を回収して新規投資に回したほうが、会社経営にとって有利です。

なお、税務で使用する耐用年数は、規定(耐用年数省令)により決まっているので、勝手な年数を使うことはできません。

 

また、減価償却費の計算方法には、定率法と定額法があります。

減価償却の方法〜定額法と定率法
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比較すると、定率法のほうが損金になるスピードが早い(耐用年数の最初の方でより多くの償却費を計上できる)ので、節税の面で有利です。

以上をまとめると、節税の観点からは、

  • 耐用年数をなるべく短くする
  • 定率法を採用する

ことが望ましいといえます。

 

固定資産は内容を精査して細かく計上する

節税の観点からは「耐用年数をなるべく短くする」のが良いと指摘しました。

以下、そのための具体的な方法を見ていきます。

 

500万円で建物の改修工事をした場合を例にとりましょう。

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上段の表は、改修工事500万円を建物附属設備として一括計上した場合です。

この場合、耐用年数は18年、年間償却費は28万円になります。

(注)耐用年数18年は、建物附属設備のなかの最長年数を採用。また、減価償却方法は定額法です。

 

下段は、500万円を支出の内容に応じて区分計上した場合です。

耐用年数は資産種別に応じて決まるので、耐用年数省令に基づき、それぞれの耐用年数を当てはめています。

この場合、平均耐用年数は9年に短縮し、年間償却費は56万円に増加します。先の例の2倍ですね。

法人税法では、一括計上する方法、分割計上する方法のいずれも認められています。

なるべく細かく資産種別ごとに分割計上すると、損金算入できる減価償却費を増やせるので、節税の面で有利です。

今回のテーマからはそれますが、固定資産を分割計上しておくと、除却・売却する場合にも便利です。一括計上してしまうと、当該資産の一部分を除却する場合に、対応する簿価を合理的に算出するのが困難になります。そのせいで、除却済みの資産が処理されずに残ってしまっているケースが結構あります。

おわりに

お客様の会計処理をみていると、細かく分けられるにも関わらず、固定資産を一括計上しているケースが非常に多いです。

分割計上するには、施工業者から詳細な見積書をもらったり、諸経費や値引きの按分計算が必要になるなど、経理処理に手間がかかるからでしょう。やり方を知らない可能性もあります。

しかし、固定資産は金額的に大きく、償却費が税額に与える影響は無視できません。

また、固定資産の経理の影響は長期に及ぶため、あとになって処理方法を修正するのは容易ではありません。

固定資産を経理処理する場合は、顧問税理士とよく相談の上、適切に行いましょう。


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。