知っておきたい節税策〜節税には4つの種類がある

ELL75 yousyohondana20120620 TP V

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

会社の節税を考える場合には、適切な節税策を適切な順番で行う必要があります。

今回は、そのための基本的な考え方をお話します。

節税策の4つの種類

ひと言で「節税」といっても、その性質から以下の4種類に分類することができます。

  1. お金が出ていかない最優先の節税策
  2. お金が出て行くが将来の成長につながる投資的節税策
  3. お金が出ていくが会社を守るための防御的節税策
  4. お金が出ていくが成長にはつながらない消費的節税策

「節税策」はこの順番で実行していくことが肝要です。

お客様の中にはこの順番を守らず、いきなり4の「消費的節税策」をとる方が多いのですが、この場合、税金は減っても、手元に残るお金もいっしょに減ってしまいます。これでは、何のために節税したのかわからないですよね。

節税を会社の成長につなげるためには、節税策の適用にあたっての戦略が必要です。

戦略とは、1⇒2, 3⇒4の順序で節税を考えること。

以下、この4種類の節税策の概要について説明しましょう。

お金が出ていかない最優先の節税策

まっさきに取り掛かるべき節税策です。

この節税を行うのに、お金は必要ありません。

代表的な方法には、以下のようなものがあります。

  • 未払金・未払費用の計上
  • 引当金の計上
  • 役員報酬
  • 税額控除・特別償却

たとえば、未払金・未払費用の計上。

これは、人件費や水道光熱費、保険料など毎月発生する経費のうち、「今期中に発生したものの、支払いが翌期になるもの」を今期の決算に経費として計上するものです。

その分、所得が減るので節税につながります。

 

人件費を例に取りましょう。

給料の締め日が15日や20日など末日以外の場合、決算で未払給与の計上が可能です。

たとえば、6月決算会社で締め日が15日、毎月の給与が総額500万円だとします。

この場合、6月16日〜30日分の給与の支払いは翌期になりますが、決算にあたり、この分を今期の経費(損金)として計上できます。

単純計算で半分の250万円を未払給与として計上できるのです。

 

このタイプの節税策には、お金はかかりません。

本連載でも詳しく解説していきますが、決算にあたって漏れのないようにしましょう。

 

お金が出て行くが将来の成長につながる投資的節税策

キャッシュアウトはあるものの、将来の成長につながる投資としての性格がある節税策です。

以下のようなものがあります。

  • 決算賞与
  • 所得拡大促進税制
  • 従業員社宅
  • 投資促進税制

たとえば、決算賞与。

今期は業績が良かったため、従業員のインセンティブ、モチベーション向上のため、決算賞与を支給するとします。

賞与の支払いは翌期になりますが、一定の条件をみたす場合、この賞与を今期の経費(損金)として計上することができます(未払賞与の計上)。

一定の要件とは、

  1. 支給額を、同じ時期に支給する全従業員に対して通知していること
  2. 通知した金額を、決算日後1ヶ月以内に通知した全員に支払うこと
  3. 通知した金額について今期中に損金として経理上の処理をしていること

の3つです。

 

このタイプの節税策は、キャッシュアウトは必要なものの、会社の成長につながる「投資的性格」をもつものです。

「最優先の節税策」を適用後、なお利益が残る場合には、このタイプの節税策の利用を検討しましょう。

 

お金が出ていくが会社を守るための防御的節税策

会社を守るための支出を節税策として利用するものです。

たとえば、以下のようなものがあります。

  • 中小企業倒産防止共済
  • 中小企業退職金共済
  • 生命保険

たとえば、中小企業倒産防止共済。

これは、得意先の倒産による連鎖倒産を防止するための共済制度です。

掛金を納めることによって、「取引先の倒産」によって資金繰りが悪化した場合に、納めた掛金の最大10倍の資金を借り入れることができます。

中小企業、ベンチャー企業の場合、自社の経営は健全でも、取引先の倒産を受けてキャッシュフローが悪化し、危機に瀕することがあります。

このような場合に備えて、一定額の掛金を払うことにより、一時的な「つなぎ資金」を確保できるこの制度は、中小零細企業の強い味方です。

 

税務上のメリットは、掛金が全額経費になること。

さらに、解約時に返金が可能で、12ヶ月以上支払期間があれば掛金総額の80%、40ヶ月以上の支払期間があれば掛金全額が戻ってきます。

いわば、外部にお金を積み立てているだけなのに経費にできるというわけです。

 

このように、共済制度や保険のなかには、将来の不安に備えながら節税を図ることができる商品があります。

これらをうまく利用するのが賢い節税です。

 

お金が出ていくが成長にはつながらない消費的節税策

以上の3つの節税策を講じた上で、まだ利益が残る場合、とりうる方法は次の2つです。

  • そのまま税金を支払う
  • 消費的節税策をとる

ここでいう消費的節税策とは、基本的にはお金を支払うものであればなんでも該当します。

  • 消耗品を大量購入する
  • 宴会や社内旅行を開催する
  • 接待交際費に使う

などいくらでもあります。

 

「消費的節税策」を否定するわけではありませんが、これは「会社の成長」や「万が一の備え」につながるものではないので、実行する場合には資金繰りとの兼ね合いに十分に注意しましょう。

節税のために不要不急な支出を増やして、資金繰りが悪化するなんてことになっては本末転倒です。

 

また、やりすぎると税務調査で問題となりうるものもあります。

実行する場合には、顧問税理士によく相談しましょう。

 

おわりに

以上、4種類の節税策について解説しました。

重要なのは、節税策の優先順位で、

  1. 最優先の節税策
  2. 投資的節税策 or 防御的節税策
  3. 消費的節税策

の順序で、節税策を考えていくことが肝要です。


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

中小零細企業のみなさまに、決算・申告、資金調達、資金繰り改善など豊富なサービスをご提供いたします。

 

 【業務メニュー】


無料冊子『融資獲得7つのポイント』プレゼント

多くの経営者の皆さまがお悩みなのが、会社の資金繰り。しかし、日々資金繰りに追われていては、会社の本業に注力することはできません。

本冊子ではあなたの会社を「銀行からお金を借りやすい会社」に変身させるための7つのポイントを解説します。

この1冊で、あなたの会社はもう資金繰りに困らない!

いまなら、お得な特典もついています。

ぜひダウンロードのうえ、ご活用下さい!


ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。