知っておきたい節税策〜出張日当を活用しよう

FUKUOKA 0I9A2867 TP V

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

出張旅費の実費精算を出張日当の支給にあらためることで、節税を図れます。

 

出張日当とは?

出張日当とは、役員や従業員の出張に際し、交通費、宿泊費以外にかかる食事代や雑費などの費用を、実費精算するのではなく、あらかじめ決められた額を支給するものです。

出張日当は、支給する側の会社にとっても、受け取る役員・従業員にとっても、節税のメリットが大きいものです。

 

出張日当のメリット

出張日当は、会社・個人の双方にとってメリットがあります。

 

会社にとってのメリット

  1. 法人税の節税になる
  2. 消費税の節税になる
  3. 社会保険料の負担を増やさずに従業員の手取り額を増やせる

ひとつずつ見ていきましょう。

 

法人税の節税になる

出張日当は、役員や従業員が出張する場合に、出張先での食事代や雑費などの諸経費に充てるために支給される手当のことです。

実費精算のように掛かった金額を支給するのではなく、定められた金額を日当として支給するものです。

出張日当を支給した場合、会社は支給額を経費として計上できるため、法人税を減らす効果があります。

ここでポイントとなるのが、日当の支給には「実費精算」が不要であるということ。

つまり、出張先で実際にかかった経費がいくらかに関係なく、日当として支給した金額をまるまる経費にできるのです。

したがって、

実際にかかった経費 < 出張日当の金額

であれば、その差額分だけ多めに経費として処理することができ、法人税の節税を図ることが可能となるわけです。

出張の多い会社であればあるほど、節税効果は大きくなります。

 

消費税の節税になる

出張日当は、消費税の計算上、「課税仕入れ」に該当します。

消費税の納税額は、モノやサービスの売上時に「預かった消費税」から、モノやサービスの仕入時に「支払った消費税」を差し引いて計算しますが、出張日当は「課税仕入れ」に該当することから、そこに含まれる消費税額を差し引くことが出来るため、消費税の節税になります。

これを「出張日当」ではなく「給与」として支給してしまうと、「課税仕入れ」とすることができません。

この場合、消費税相当額を差し引くことができないので、その分消費税を余計に支払うことになってしまいます。

 

社会保険料の負担を増やさずに従業員の手取りを増やせる

出張日当は給与ではないので、給与を基準に計算される社会保険料もかかりません。

社会保険料は会社と個人が折半で負担しますが、この負担がないのは、会社・個人の双方にとって大きなメリットです。

 

個人にとってのメリット

出張日当を受け取る個人(役員・従業員)にとってのメリットは、以下の2つです。

  1. 所得税がかからない
  2. 社会保険料がかからない

所得税がかからない

出張手当は給与ではありません。

受け取る個人にとって給与所得に該当しないため、所得税は課税されません。

つまり、給与として同額支給される場合と比べると、所得税分だけ手取り額が増えることになります。

 

社会保険料がかからない

上述のとおり、出張日当には社会保険料がかかりません。

したがって、給与として同額支給される場合と比べると、社会保険料分だけ手取り額が増えることになります。

つまり、所得税がかからず社会保険料の負担もないため、給与に比べて二重に有利です。

 

出張旅費規定の整備

このように、「出張日当」は、会社・個人の双方にとってメリットがありますが、これを活用するためには社内において「出張旅費規程」を作成し、日当の支給額を明確にしておく必要があります。

出張旅費規程に作成にあたっては、以下の点に注意しましょう。

 

規程の適用対象者を決める

対象者は、役職員全員にします。

社長や役員だけを対象とする運用は認められません。

パートや準社員などの非正規雇用社員にも出張の可能性がある場合は、その点も明記しておきます。

 

出張の定義を決める

一口に出張と言っても、会社によってその意味するところは様々です。

東京から茨城に行くだけでも出張になる会社もあれば、大阪まで行かなければ出張にならない会社もあります。

一般的には、移動距離で出張を定義します。

たとえば、

勤務地を起点として、目的地までの距離が○km以上であり、職務を遂行するものをいう

など。

 

旅費の種類を決める

旅費といっても、その内容はいくつかに分かれます。

具体的には、

  • 交通費
  • 宿泊費
  • 日当

など。

このうち、交通費と宿泊費は実費精算が原則です。

交通費については、グリーン車の利用可否や、タクシーや自家用車、航空機を利用できる場合などについて規定しておく必要があります。

宿泊費については、役職ごとの上限額を規定しておきましょう。

日当については、不公平感のないように、日帰り出張と宿泊出張とに分けて、1日あたりの支給額を規定します。

役職に応じて支給額を変える場合は、その旨も記載します。

金額はいくらでも良いというわけではなく、あまり高すぎることの無いよう、常識的な金額とする必要があります。

 

おわりに

以上、出張日当の節税メリットについて解説しました。

しかし、出張日当にはデメリットもあります。

社長が節税したいため、出張手当が欲しいためなど理由で、ムダな出張が増えてしまう可能性があることです。出張が増えて節税になっても、ムダな経費が増えてキャッシュ・フローが悪化してしまっては本末転倒です

オーナー社長が出張日当をもらう分には、お金が会社からオーナー社長に移るだけなのであまり問題にはなりませんが、従業員への出張日当はキャッシュアウト、会社から出て行くお金であることに留意しましょう


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

中小零細企業のみなさまに、決算・申告、資金調達、資金繰り改善など豊富なサービスをご提供いたします。

 

 【業務メニュー】


無料冊子『融資獲得7つのポイント』プレゼント

多くの経営者の皆さまがお悩みなのが、会社の資金繰り。しかし、日々資金繰りに追われていては、会社の本業に注力することはできません。

本冊子ではあなたの会社を「銀行からお金を借りやすい会社」に変身させるための7つのポイントを解説します。

この1冊で、あなたの会社はもう資金繰りに困らない!

いまなら、お得な特典もついています。

ぜひダウンロードのうえ、ご活用下さい!


ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。