交際費に注意!法人が支出する情報提供料の取扱い

20161003

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

法人が紹介料や手数料を支払うときには、交際費に該当しないか注意が必要です。

はじめに

紹介者を通じて契約や案件を獲得した時、紹介者に対して紹介料や販売手数料(以下、情報提供料といいます)を支払うことは、事業上よくあることです。

情報提供料は、法人の事業遂行上必要なものであれば、税務上も当然に費用(損金)として認められますが、支出の内容によっては税務上の交際費と認定され、法人に税負担が生じる場合があります。

そこで、今回は情報提供料の税務上の取扱いについて解説しましょう。

情報提供料とは

会社が、取引に関する情報の提供、取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供を受け、その対価として、その情報提供等を行なった相手に対して金銭等を支払うことがあります。これを一般に情報提供料といいます。

情報提供料が発生する例としては、以下のような場合があります。

  • ハウスメーカーが、住宅の建築主の紹介を受けたとき
  • 自動車ディーラーが、新車の購入者の紹介を受けたとき
  • ソフトウェア開発会社が、フリーの技術者の紹介を受けたとき

情報提供料は、一般に「紹介」や「情報提供」といった漠然とした事実関係をもとに支払われることが多いため、場合によっては税務上の費用として認められず、交際費として課税される場合があります。

税務上の費用となる情報提供料

では、税務上も費用として認められるのはどのような場合なのでしょうか。

まず、情報提供を業務としている相手方に対する支払いは、問題なく税務上の費用として認められ、交際費には該当しません。

たとえば、

  • 不動産仲介業者
  • 人材紹介業者

に対して支払う情報提供料がこれに該当します。

しかし、情報提供料の支払先が、その取引に係る相手方の従業員である場合には、その支出は交際費となり、税務上の費用とは認められません。

従業員が取引先として自社を紹介するのは職務上当然の行為なので、それに伴う金品の授受は単なる謝礼とみなされ、交際費として取り扱われます。

これら以外の支出については、「正当な対価」とされるもののみが費用として認められます。

「正当な対価」と認められるには、以下の3つの要件をすべて満たすことが必要です。

 

(1) 金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること

事前に当事者間でこの情報提供等に関して個別に契約書を取り交わしているか、個別の契約がない(紹介キャンペーンなど)場合には、紹介料等の支払基準が公表されていたかどうかが判断基準となります。

口頭での約束も本来、契約として認められるものですが、課税当局に対する説明が難しいので避けたほうが無難です。

疎明資料として、ポスターやチラシなど紹介料の根拠を保存しておくことが望ましいです。

 

(2) 提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること

情報提供等の内容を明らかにしたうえで、実際にその情報提供等を受けていることが必要です。業務内容をできるだけ詳細に記載した契約書を事前に取り交わしましょう。

また、ただ単に誰かを紹介するというだけでなく、実際に契約等が成立したうえで、情報提供料が支払われていることが必要です。

 

(3) その交付した金品の価額が提供を受けた役務の内容に照らして相当と認められること

情報提供料として支払った額が、その業務内容に対して不相当に高額あるいは少額であったり、支払う相手によって金額が異なる場合には、単なる「謝礼」とみなされて、交際費とされるリスクがあります。

どのくらいが相当かというのは個別に判断するしかありませんが、その金額の設定根拠を合理的に説明できるようにしておく必要があります。

消費税の取扱い

(1)情報提供料等として認められる取引の場合

情報提供料等として認められる取引においては、「対価性のある」取引であるため、課税取引となります。

(2)交際費の場合

交際費とみなされた取引においては、「対価性のない」取引となるため、金品を贈答した場合は不課税取引となります。

 

おわりに

以上、情報提供料にまつわる税務上の取扱いを見てきました。

解説したとおり、情報提供料が交際費とみなされた場合、会社に思わぬ税負担が生じる場合があります。

  • 人材紹介会社など情報提供を業務とする先に対する紹介料の支払いは費用となる
  • 取引先の従業員に対する支払いは交際費になる
  • それ以外のものは上述の3要件を満たすものが費用と認められる

以上の点を理解できれば結構です。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。