役員報酬の税務〜事前確定届出給与ってなに?

20161117

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

前回は、損金算入が可能な役員報酬のうち、定期同額給与についてお話しました。

役員報酬の税務〜定期同額給与ってなに?

今回は、同じく損金算入が可能な「事前確定届出給与」について解説します。

 

事前確定届出給与とは

事前確定届出給与とは、「あらかじめ支払時期と金額を税務署に届け出ておいて、その届出どおりに実際に支払われている役員報酬」のことをいいます。

役員報酬に対する税務の規制は、経営者が報酬額を増減することによる利益操作を抑止し、法人税の課税逃れを防止することにあることは、以前お話しました。

あらかじめ役員報酬の金額と支給時期を届け出ておけば、そのような弊害が生じる恐れはないので、損金算入(費用処理)が認められています。

 

事前確定届出給与のメリット

「事前確定届出給与」は「定期同額給与」と違い、支払額が「定額」である必要はありません。

支払時期も「1ヵ月以内の定期」である必要はありません。

事前の届出どおりに役員報酬を支払ってさえいればいいのです。

ということは、例えば、毎月の報酬は定期同額で支払っておいて、夏と冬の賞与を「事前確定届出給与」で支払うことによって、賞与を含めた全額を損金算入することが可能です。

もうひとつの制度である「利益連動給与」は同族会社には適用がありません。

したがって、中小企業が役員賞与を損金算入したければ、事実上、「事前確定届出給与」によるしかありません。

 

事前確定届出給与の届出時期

では、税務署への届出はいつまでに済ませればよいのでしょうか?

  • 役員報酬に関する株主総会の決議の日から1ヶ月以内
  • 期首から4ヶ月以内

のいずれか早い日までに届け出ることになっています。

新設法人の場合は、設立後2ヶ月以内に届け出る必要があります。

届出書類はこちら

 

届出額と支給額が異なる場合

事前確定届出給与として届け出た役員報酬の金額と、実際の支給額が違った場合はどうなるのでしょうか。

 

届出金額よりも多く支給した場合

この場合、その届出額との差額ではなく、役員報酬の「全額」が損金不算入になります。

これはインパクトが大きいです。

業績好調でも、ボーナスはじっと我慢したほうが無難です。

 

届出金額よりも少なく支給した場合

一般的に考えられるのは、業績や資金繰りの都合で予定より少ない金額しか払えない、というケースです。

でも、たとえ業績悪化が理由でも、課税当局は許してはくれません。

やはり役員報酬の「全額」が損金不算入となります。

これもキツイですね。業績悪化と税負担の増加の往復ビンタです。

 

事前確定届出給与に関する変更の届出

以下に該当する場合には、届出内容の変更が認められています。

  • 臨時改定事由による変更
    役員の職制上の地位の変更や、職務内容に重大な変更があった場合
  • 業績悪化改定事由による変更
    業績が著しく悪化した場合など

臨時改定事由に該当する場合には、当該事由が生じた日から1ヶ月以内、業績悪化改定事由に該当する場合には、その内容の変更に関する株主総会等の決議日から1ヶ月以内に「事前確定届出給与の変更届出書」を提出する必要があります。

なお、前回解説したとおり、業績悪化改定事由が認められるケースは極めて限定されています。

「事前確定届出給与」は届けたとおりに支給し、増額も、減額も避けましょう。

 

 


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。