会社設立時に必要な税務書類についてまとめます。

Establishment

こんにちは。東京・世田谷区、法人専門の税理士 藤村です。

株式会社の設立は設立登記をして終わりではありません。

登記後すみやかに、税務署や都道府県などに届出書類の提出が必要になります。

とはいっても、どこに何を提出すれば良いのかわからない方も多いでしょう。

そこで、今回は、株式会社の設立後に届け出が必要となる税務関係の書類についてお話します。

Contents

会社設立後に必要な税務書類

会社設立後に提出する必要がある税務書類は、以下の6種類です。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書(任意)
  • 減価償却資産の償却方法の届出書(任意)

それぞれの書類には提出期限がありますので、遅れないように注意しましょう。

書類の提出前に所轄税務署を確認しよう

上記の書類は、会社の本店所在地を管轄する税務署に提出します。

以下のサイトで、所轄税務署を確認しておきましょう。

国税局・税務署を調べる

提出書類は控えをとっておこう

税務署への提出書類は、提出する本紙のほかに控えを作成してください。

顧問税理士がいる場合は、会社控えの他に、税理士控えが必要です(計3部作成することになります)。

会社控えは、税務の届出手続をしたことを証明する大切な書類になります。

税務署の受付印をもらい、大切に保管してください。

それでは、税務署への届出書類について解説しましょう。

 

法人設立届出書

法人設立届出書は、設立した会社の概要を税務署に知らせるための書類です。これを提出すると、税務署から税務関係の書類が送付されるようになります。

法人設立届出書は、会社設立から2ヶ月以内に提出しなければいけません。期限に遅れないようにご注意ください。

法人設立届出書の記入方法

法人設立届出書は以下から入手できます。

国税庁:[手続名]内国普通法人等の設立の届出

2017 01 17 1331

記入上の注意点

法人設立届出書は、定款と謄本を参考にすれば、ほとんどの項目を記入することができます。

主なポイントは以下のとおりです。

届出先

上で説明した、本店所在地の所轄税務署名を記入します。

法人名、所在地、納税地、代表者氏名

謄本に記載のとおり記入します。

納税地が本社所在地と一緒の場合、納税地は「同上」として構いません。事務所や店舗を構える住所と謄本上の本店所在地が違う場合は、実際の事務所や店舗が所在する住所を記載します。

代表者氏名の欄には、会社代表印を押印します。

事業年度

定款で定めた会計期間を記入します。

消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

資本金が1,000万円以上(新設法人)の場合、設立年月日を記入します。

設立の形態

新規に事業を始める場合には、その他の項目に○を付け、「新たに事業を開始」と記入します。

個人から法人成りをした場合は、「1 個人企業を法人組織とした法人である場合」の項目に○を付けます。

「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無

「給与支払事務所等の開設届出書」(後述)を提出する場合には「有」に○を付けます。

添付書類

法人設立届出書には、以下の添付書類が必要です。

  • 定款のコピー
  • 登記事項証明書
  • 設立時貸借対照表
  • 株主名簿
設立時貸借対照表と、株主名簿には特に決まった様式はありません。

 

 

青色申告の承認申請書

法人税の申告には青色申告と白色申告がありますが、青色申告には以下のようなメリットがあります。

  • 赤字を9年間繰り越すことが出来る
  • さまざまな税務上の優遇措置を受けることが出来る

一方で青色申告は帳簿への記帳が必要となることがデメリットと言われてきましたが、最近の税制改正で白色申告であっても帳簿への記帳と記録の保存が義務付けられたため、両者の差異は小さくなってきています。

本記事をお読みの皆さんには、メリットの大きい青色申告を選択していただきたいと思います。

青色申告申請書は、会社を設立してから3ヶ月以内に提出する必要があります。

「青色申告の承認申請書」の記入方法

青色申告の承認申請書はこちらから入手できます。

国税庁:[手続名]青色申告書の承認の申請

2017 01 17 1355

記入上の注意点

主なポイントは以下のとおりです。

税務署

所轄税務署名を記入します。

納税地

会社の納税地を記載します。なお、事務所や店舗を構える住所と謄本上の本店所在地が違う場合は、実際の事務所や店舗が所在する住所を記載します。

法人名、代表者氏名、代表者住所

謄本に記載のとおりに記入します。代表者氏名欄には会社の代表印を押印します。

事業種目

不動産業や飲食業など、定款を参考にわかるように記載します。

資本金額又は出資金額

定款に記載の金額を記入します。

開始したい事業年度

青色申告を開始したい事業年度を記載します。新規設立の場合は第一期の期間を記載します。

チェック欄

申請書中段のチェック欄には該当箇所にチェックを入れます。たとえば、新規設立の場合、上から2つ目のボックスにチェックを入れ、法人設立日を記入します。良くわからない場合には、税務署または顧問税理士に確認しましょう。

帳簿組織の状況

会社に備え置く帳簿の種類を記入します。

一般的には、以下の3つです。

  • 現金出納帳
    現金の使途とその金額や、収入の種類などを記載する帳簿です。
  • 預金出納帳
    銀行口座の入出金記録を口座別にまとめたものです。
    日付と相手科目、入出金の金額とその理由、残高の記載が必須となります。
  • 総勘定元帳
    勘定科目ごとにすべての取引を記載する帳簿です。
    これをもとに貸借対照表や損益計算書などを作成します。

形態は、PCであればPCや会計ソフトと記入し、用紙で管理する場合はファイルやノートなどと記載します。

記帳の時期は随時または毎月などと記載しましょう。

 

給与支払事務所等の開設届出書

会社が、給与の支払者として、給与等の支払事務を行う事務所を開設した場合、税務署に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出しなければなりません。

平たくいうと、会社が、誰かに給料を支払うようになったら提出が必要ということです。

給料を支払う場合、会社が所得税を天引き(源泉徴収)して税務署に納めます。

「給与支払事務所等の開設届出書」を税務署に提出すると、源泉徴収した所得税を納付する用紙が会社に送られてきます。

源泉徴収した所得税を納めないとペナルティが課されますので、この届出書は忘れずに提出してください。

仮に従業員がいなくても、経営者である自分に給料(役員報酬)を支払う場合には、この届出書を提出する必要があります。

提出期限は、給与支払事務所の開設の事実があった日から1ヶ月以内です。

「給与支払事務所等の開設届出書」の記入方法

給与支払事務所等の開設届出書はこちらから入手できます。

国税庁:[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

2017 01 17 1432

記入上の注意点

主なポイントは以下のとおりです。

税務署

所轄税務署名を記入します。

事務所開設者

本店所在地、会社名、代表者氏名を記入します。代表者氏名欄には会社の代表印を押印します。

開設年月日

給与を支払う事務所を開設した年月日を記載します。会社設立時から給与を支払うならば「会社設立年月日」を記入します。

給与支払いを開始する年月日

通常は、上の「開設年月日」と同じになります。

届出の内容及び理由

該当箇所にチェックを入れます。新規設立の場合、一番上にチェックを入れます。

給与支払事務所等について

中段のフローチャートにしたがって、必要事項を記入します。

新規設立の場合、記入の必要はありません。

従業員数

給与を支払う職種別の人員数を記載します。

 

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税は、徴収した日(給与などを支払った日)の翌月10日が納付の期限になっています。

しかし、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を税務署に提出すれば、源泉所得税を年2回(7月10日と1月20日)にまとめて納付できるようになります。

この特例を利用できるのは、給与を支払う人員が常時9人以下の会社です。この「常時9人」の中には、会社の代表である自分に給与(役員報酬)を支払う場合には、自分も含みます。

提出期限

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出期限は決まっていません。源泉徴収の納期の特例を受けたいと思ったときに提出することになります。

提出するときは、いつから納期の特例が適用されるかには注意が必要です。原則として、提出した日の翌月に支払う給与などから納期の特例が適用されます。提出した月に支払う給与などには適用されません。

例えば8月1日に申請書を提出した場合は、8月に源泉徴収して9月10日までに納付する分には適用がありません。9月に源泉徴収して10月10日に納付する分から納期の特例が適用されて翌年1月20日の納付になります。間違えやすいポイントなので注意しましょう。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の記入方法

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書はこちらから入手できます。

国税庁:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

2017 01 17 1509

記入上の注意点

主なポイントは以下のとおりです。

税務署

所轄税務署名を記入します。

住所又は本店所在地、氏名又は名称、代表者氏名

本店所在地、会社名、代表者氏名を記入します。代表者氏名欄には会社の代表印を押印します。

給与支払事務所等に関する事項

通常、ここには何も記載しません。

申請の日前6ヶ月間に給与の支払いがある場合には、各月毎にその月末時点の人員と各月の支給額を記入します。

設立時など、申請の日前6ヶ月以内に給与の支給がない場合には空欄、申請の日前に支給した給与が6ヶ月未満である場合は、その月数分回答することになります。

現に国税の滞納があり・・・

該当がある場合のみ記入します。

 

棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産とは、会社の生産活動や営業活動の過程で生じる資産のことで、原材料、仕掛品、製品、商品などが該当します。いわゆる在庫ですね。

棚卸資産は、一般に総資産に占める割合が大きいため、この資産をいくらで評価するかは会社の利益に大きく影響します。

棚卸資産を評価する場合に重要なのが、棚卸資産の評価方法です。この棚卸資産の評価方法にはいくつかの種類がありますが、会社が自由に評価方法を採用できるとすると、棚卸資産の評価方法を恣意的に変更することによって利益操作が可能になります。

そこで、そのようなことを防ぐために、あらかじめ「棚卸資産の評価方法の届出書」を税務署に提出して、「うちの会社は棚卸資産の評価方法としてこの方法を用います」ということを税務署に伝えるのです。

なお、この届出書の提出は任意です。提出しない場合には、法定の評価方法である「最終仕入原価法」が適用されます

棚卸資産の評価方法は何を選べばよいか?

棚卸資産の評価方法には、

  • 先入先出法
  • 後入先出法
  • 移動平均法・総平均法
  • 最終仕入原価法

など、いくつかの種類があります。

どれを選べばよいかは、業種や規模、人員、計算合理性など様々な観点から判断する必要があります。

選択にあたっては、顧問税理士に相談しましょう。

なお、 中小企業の場合、相対的に適用が容易な「最終仕入原価法」を適用するケースが多いです

(したがって、この届出書を提出しないことが多いです)

提出期限

提出期限は、会社を設立した第1期の法人税の確定申告書の提出期限までとなっています。

「棚卸資産の評価方法の届出書」の記入方法

棚卸資産の評価方法の届出書はこちらから入手できます。

国税庁:[手続名]棚卸資産の評価方法の届出

2017 01 17 1535

記入上の注意点

主なポイントは以下のとおりです。

税務署

所轄税務署名を記入します。

提出法人

単体法人にチェックします。

納税地

会社の納税地を記載します。なお、事務所や店舗を構える住所と謄本上の本店所在地が違う場合は、実際の事務所や店舗が所在する住所を記載します。

法人名、代表者氏名、代表者住所

謄本に記載のとおりに記入します。代表者氏名欄には会社の代表印を押印します。

事業種目

不動産業や飲食業など、定款を参考にわかるように記載します。

連結子法人

空欄で問題ありません。

事業の種類又は事業所別

事業の内容を種類別に書きます。棚卸資産の評価方法を事業所別に選定する場合は、その事業所名を書きます。

資産の区分

「補助原材料その他の棚卸資産」の下の空白スペースには、事業を2以上営んでいる場合、事業所別に選定しようとする場合に、棚卸資産を下の区分で記載してください。

  • 商品又は製品(副産物及び作業くずを除きます。)
  • 半製品
  • 仕掛品(半成工事を含む)
  • 主要原材料
  • 補助原材料その他の棚卸資産(副産物及び作業くずを含む)

評価方法

採用する棚卸資産の評価方法を下から選んで書きます。

■原価法

  • 個別法による原価法
  • 先入先出法による原価法
  • 総平均法による原価法
  • 移動平均法による原価法
  • 最終仕入原価法による原価法
  • 売価還元法による原価法

■低価法

  • 個別法による原価法に基づく低価法
  • 先入先出法による原価法に基づく低価法
  • 総平均法による原価法に基づく低価法
  • 移動平均法による原価法に基づく低価法
  • 最終仕入原価法による原価法に基づく低価法
  • 売価還元法による原価法に基づく低価法

参考事項

新規設立の場合は、設立年月日を書きます。設立年月日は、謄本に記載されている「会社成立の年月日」を書いてください。

 

減価償却資産の償却方法の届出書

減価償却資産について、毎年いくらを会社の費用にするか計算する方法を償却方法と言って、大きく分けて定額法と定率法の2種類があります。

「減価償却資産の償却方法の届出書」とは、会社が、減価償却資産の償却方法を選んで税務署に提出する書類です。

この届出書の提出は任意です。

提出がなかった場合、法定の償却方法を選択したものとみなされます。

提出期限

会社の設立第1期の確定申告書提出期限までです。

「減価償却資産の償却方法の届出書」の記入方法

減価償却資産の償却方法の届出書はこちらで入手できます。

国税庁:[手続名]減価償却資産の償却方法の届出

2017 01 17 1606

記入上の注意点

主なポイントは以下のとおりです。

税務署

所轄税務署名を記入します。

提出法人

単体法人にチェックします。

納税地

会社の納税地を記載します。なお、事務所や店舗を構える住所と謄本上の本店所在地が違う場合は、実際の事務所や店舗が所在する住所を記載します。

法人名、代表者氏名、代表者住所

謄本に記載のとおりに記入します。代表者氏名欄には会社の代表印を押印します。

事業種目

不動産業や飲食業など、定款を参考にわかるように記載します。

連結子法人

空欄で問題ありません。

資産、設備の種類

次の区分ごとに、所有する減価償却資産の種類を記入します。
「機械及び装置」以外の減価償却資産については下の7つになります。

  • 建物附属設備
  • 構築物
  • 船舶
  • 航空機
  • 車両及び運搬具
  • 工具
  • 器具及び美品

「機械及び装置」については、「機械及び装置」とひとくくりにせず、もう少し細かく書く必要があります。具体的には、耐用年数省令別表第二に規定されている設備の種類ごとに「~設備」と書きます。「~設備」の左にある( )の中には、耐用年数省令別表第二の該当する番号を書きます。分からない点があれば、税務署か顧問税理士に相談しましょう。

償却方法

「資産、設備の種類」の区分に応じて、会社で採用する償却方法(定額法、定率法など)を書きます。

参考事項

新規設立の場合は、設立年月日を書きます。設立年月日は、謄本に記載されている「会社成立の年月日」を書いてください。

 

 

以上、会社設立時に提出が必要となる6つの書類について、記入方法を中心に解説しました。

この記事が皆様のお役に立てば幸いです。

 


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区の公認会計士・税理士 藤村千秋です。大手監査法人、M&Aコンサルティング、税理士法人を経て、2016年9月に独立開業しました。中小企業、ベンチャー企業に対する法人税務、資金繰り改善、経理業務効率化、M&A支援を得意としています。職員を雇わず、公認会計士・税理士である藤村が、すべてのお客様をサポートいたします。